■花魁パロ、こんなかんじです。
原作のように『一般人ツナのもとに裏社会出身の獄寺がやってきたらどうなるのかな』ではなく、『獄寺以下大勢が暮らす裏社会にツナが一人で放り込まれたらどうなるかな』というコンセプトのパロディです。
そこでなぜ裏社会に遊郭を選ぶ!? おとめのなぞです。
あと、またツンデレ攻略です。
なお内容にはちっとも絡んでこないのですが、この花魁ワールドはSFです。
以下読まなくてもいい言い訳なので小文字。
なんで男の花魁?とか謎に思うのを避けるための魔法の言葉です。
いろんな用語の定義がテキトーに史実と異なります。
ありんす言葉も基本使いません。
なのに全員和服でカタカナ名前の方にも無理矢理日本語名前つけてます。
ごめんなさい。パロディと思って勘弁してください。
この花魁ワールドはSFです。
遠い未来、人々は巨大な空中船艦(ラピュタやナウシカのような)で暮らしています。それぞれの『船』が都市国家のような自治体を形成していて、なにかの生産に特化しています。食糧、工業品から医者、軍人などの特殊技能を持つ人材まで。その中にはこの世界では人口が極端に減ってしまった女にかわり、男でありながら男に身体を売る女郎を擁する『花街』船もあります。それら財の交易、船の燃料補給は『港』で行われ、そこに帰港する船に対しとても大きな支配力を持っています。そんな世界で、
とても大きな港を仕切る大店(おおだな)の後継者争いに巻き込まれてしまったツナとそのお抱え花街のとある郭で暮らす隼人のおはなし。
沢田綱吉/一応主人公?
普通の気弱な少年……だったはずが、今回は街を仕切る大店の跡継ぎとして担ぎ出されます。御屋敷にて強制的に修業中ですが、教養がない、遊び方を知らない、と修業の一環として傘下の郭に行くことに。
童子(わっぱ)/ツナのお目付け役
見た目5歳以下だろってなツンツン頭の幼児にして裏社会では知らぬものはいない最強の……やっぱり幼児。9代目の信頼が厚く、とかく偉そう。
着流し着用、帽子無し。
(未来編で雲雀の屋敷に出入りしてたときの格好をイメージして頂けると幸いです。)
隼人/薄ら灯(うすらひ)太夫
郭の二番手。
源氏名薄ら灯はいつもキセルをくわえていることから。あるいは肌も髪も夜目に白くひかってみえることから。
幼少のころに郭に買われて教育を受けています。外の世界のことはほとんど記憶にありません。
年若くして太夫まで上り詰めたのは他に類を見ないその容貌のせいもあるが、客を選り好みせず、相手にあわせてきちんと色恋を売る気風のせいも大きい。とのもっぱらの評。
(ちなみに薄ら灯は造語です。春の季語「薄ら氷」から)
雲雀/雲雀太夫
郭の不動の一番手(お職)。舞の名手、特に扇を好む。
年齢不詳、いつからお職なのかも不明。年季もとっくに明けているはずなのに、山と舞い込む身請け話もぜんぶ突っぱねて郭に居座っています。
にこりとも笑わない、かけらも客に媚びない。が、それがいいとの世間の評。
ちなみに童子は彼の旦那の一人です。童子は雲雀の笑うところを見たことがあるらしい。
了/薄ら灯の部屋付きの用心棒
薄ら灯の一回り年上。同じ頃から郭で奉公している、幼なじみで面倒見役。
家に帰ると溺愛している妹がいる。
ちなみに雲雀の部屋付きは哲さんです。
楼主/郭の楼主
もとは天馬と言う名の太夫。
9代目に見込まれて引退、以降郭を取り仕切っている。
金髪のすっごい美人のあのひとです。自分のあとを継いでお職になった雲雀にここでもやっぱり手を焼いています。
武/切り花屋
部屋持ちの女郎の部屋に毎日花を活けにくる花屋の少年。
親方は剛。まだ修行中の身だが、雲雀に気に入られて若くしてお職の部屋の担当です。なのに次席の薄ら灯の部屋が剛じゃおかしいだろう、という事で芋蔓式に薄ら灯の部屋も担当。(大広間なんかは剛さんがやっています。)
ちなみにこの花は全部お客さんからのラブレター。
雲雀の部屋なんかは毎日花で埋め尽くされ、薄ら灯もそれなりに。
毎日お客が帰って女郎さん達がぼーっと休憩している午前中にやってきて、世間話しながらテキパキ花を活けて、昼見世の始まる前に帰ります。
郭に住んでこそいませんが、気さくな人柄もあってほとんど内部の人間扱いです。
なんかこんなかんじ。ちょっとシーン抜き出してみました。
隼人と武の会話シーン。
すたん、と軽い音を立てて、しかし勢いよく襖が開け放たれた。
「薄ら灯、ちょっと邪魔するぜ。その花やり直す!」
「はあ?」
薄ら灯が問うのも聞かず、武はずんずんと部屋の中に踏み入った。ぴたりと部屋の真ん中で立ち止まり、あごに手を当てて何やら思案顔でさっき活けたばかりの花を見回す。
「なんだよ、薮から棒に。オレのところは終わりじゃなかったのか?」
「雲雀に駄目出し喰らった。やり直す。ちょっと借りてくぞ。」
言うや否や、床の間の大瓶から赤い大牡丹を引き抜く。続いて蘭も藤も葉菖蒲も。
「おい、オレの部屋は雲雀の部屋の在庫置き場か?」
「まあそうかな。」
素っ気ない返事。駄目だこいつ。没頭してやがる。薄ら灯は舌打ちする。
武は抱えた花束を見詰め、うん。と一人納得したように頷いた。これならどうだ。みてろよ、あっといわせてやる。
ばさりと大風呂敷を床に広げ、武は選んだ花達を手早くまとめる。色とりどり花の並べられた床とは対照的に、花を奪われた部屋は見るも無惨だ。まるで嵐の通ったあとのよう。
「……おい。さっさと済ませてこっちの部屋もどうにかしろよ。」
「うん。できるだけ間に合わせる。」
これまた色のない返事。
「……ったく、どいつもこいつも。」
どうせ二番だよ、天下の雲雀太夫様には敵いませんよ。
薄ら灯はぶすくれる。ふ、と武が顔を上げた。
「今日来るの、沢田の旦那?」
「……だったらなんだ?」
「そっか、それで機嫌いいのな。」
かちん、薄ら灯は眉を跳ね上げた。
そうだ言う通り。虫の居所が悪い日に部屋から花を取られようものなら、薄ら灯の悪態はこの程度では済まない。
「よくねえよ、別に! てめ、ほんとにオレの部屋間に合わなかったらはったおすからな!」
「はは、そうかっかすんなって。そっか、沢田の旦那か。なら、大仰に飾るよりこっちのがいいか。」
武は色鮮やかな藤を一枝手に取った。色鮮やかな、まだ花開いたばかりの若い房を一つ折り、ひょいと薄ら灯の髪に飾る。
「うん。似合う。部屋にお前一輪いりゃ、旦那は十分だって。」
みるみる、薄ら灯の顔が朱に染まる。
「……っ、んな、わけねーだろ馬鹿! とっとと行け! さっさと済ませて次はオレの部屋だからな!」
しかし片手でしっかりと藤に房を押さえたまま、薄ら灯は乱暴に武を部屋から蹴り出した。
原作のように『一般人ツナのもとに裏社会出身の獄寺がやってきたらどうなるのかな』ではなく、『獄寺以下大勢が暮らす裏社会にツナが一人で放り込まれたらどうなるかな』というコンセプトのパロディです。
そこでなぜ裏社会に遊郭を選ぶ!? おとめのなぞです。
あと、またツンデレ攻略です。
なお内容にはちっとも絡んでこないのですが、この花魁ワールドはSFです。
以下読まなくてもいい言い訳なので小文字。
なんで男の花魁?とか謎に思うのを避けるための魔法の言葉です。
いろんな用語の定義がテキトーに史実と異なります。
ありんす言葉も基本使いません。
なのに全員和服でカタカナ名前の方にも無理矢理日本語名前つけてます。
ごめんなさい。パロディと思って勘弁してください。
この花魁ワールドはSFです。
遠い未来、人々は巨大な空中船艦(ラピュタやナウシカのような)で暮らしています。それぞれの『船』が都市国家のような自治体を形成していて、なにかの生産に特化しています。食糧、工業品から医者、軍人などの特殊技能を持つ人材まで。その中にはこの世界では人口が極端に減ってしまった女にかわり、男でありながら男に身体を売る女郎を擁する『花街』船もあります。それら財の交易、船の燃料補給は『港』で行われ、そこに帰港する船に対しとても大きな支配力を持っています。そんな世界で、
とても大きな港を仕切る大店(おおだな)の後継者争いに巻き込まれてしまったツナとそのお抱え花街のとある郭で暮らす隼人のおはなし。
沢田綱吉/一応主人公?
普通の気弱な少年……だったはずが、今回は街を仕切る大店の跡継ぎとして担ぎ出されます。御屋敷にて強制的に修業中ですが、教養がない、遊び方を知らない、と修業の一環として傘下の郭に行くことに。
童子(わっぱ)/ツナのお目付け役
見た目5歳以下だろってなツンツン頭の幼児にして裏社会では知らぬものはいない最強の……やっぱり幼児。9代目の信頼が厚く、とかく偉そう。
着流し着用、帽子無し。
(未来編で雲雀の屋敷に出入りしてたときの格好をイメージして頂けると幸いです。)
隼人/薄ら灯(うすらひ)太夫
郭の二番手。
源氏名薄ら灯はいつもキセルをくわえていることから。あるいは肌も髪も夜目に白くひかってみえることから。
幼少のころに郭に買われて教育を受けています。外の世界のことはほとんど記憶にありません。
年若くして太夫まで上り詰めたのは他に類を見ないその容貌のせいもあるが、客を選り好みせず、相手にあわせてきちんと色恋を売る気風のせいも大きい。とのもっぱらの評。
(ちなみに薄ら灯は造語です。春の季語「薄ら氷」から)
雲雀/雲雀太夫
郭の不動の一番手(お職)。舞の名手、特に扇を好む。
年齢不詳、いつからお職なのかも不明。年季もとっくに明けているはずなのに、山と舞い込む身請け話もぜんぶ突っぱねて郭に居座っています。
にこりとも笑わない、かけらも客に媚びない。が、それがいいとの世間の評。
ちなみに童子は彼の旦那の一人です。童子は雲雀の笑うところを見たことがあるらしい。
了/薄ら灯の部屋付きの用心棒
薄ら灯の一回り年上。同じ頃から郭で奉公している、幼なじみで面倒見役。
家に帰ると溺愛している妹がいる。
ちなみに雲雀の部屋付きは哲さんです。
楼主/郭の楼主
もとは天馬と言う名の太夫。
9代目に見込まれて引退、以降郭を取り仕切っている。
金髪のすっごい美人のあのひとです。自分のあとを継いでお職になった雲雀にここでもやっぱり手を焼いています。
武/切り花屋
部屋持ちの女郎の部屋に毎日花を活けにくる花屋の少年。
親方は剛。まだ修行中の身だが、雲雀に気に入られて若くしてお職の部屋の担当です。なのに次席の薄ら灯の部屋が剛じゃおかしいだろう、という事で芋蔓式に薄ら灯の部屋も担当。(大広間なんかは剛さんがやっています。)
ちなみにこの花は全部お客さんからのラブレター。
雲雀の部屋なんかは毎日花で埋め尽くされ、薄ら灯もそれなりに。
毎日お客が帰って女郎さん達がぼーっと休憩している午前中にやってきて、世間話しながらテキパキ花を活けて、昼見世の始まる前に帰ります。
郭に住んでこそいませんが、気さくな人柄もあってほとんど内部の人間扱いです。
なんかこんなかんじ。ちょっとシーン抜き出してみました。
隼人と武の会話シーン。
すたん、と軽い音を立てて、しかし勢いよく襖が開け放たれた。
「薄ら灯、ちょっと邪魔するぜ。その花やり直す!」
「はあ?」
薄ら灯が問うのも聞かず、武はずんずんと部屋の中に踏み入った。ぴたりと部屋の真ん中で立ち止まり、あごに手を当てて何やら思案顔でさっき活けたばかりの花を見回す。
「なんだよ、薮から棒に。オレのところは終わりじゃなかったのか?」
「雲雀に駄目出し喰らった。やり直す。ちょっと借りてくぞ。」
言うや否や、床の間の大瓶から赤い大牡丹を引き抜く。続いて蘭も藤も葉菖蒲も。
「おい、オレの部屋は雲雀の部屋の在庫置き場か?」
「まあそうかな。」
素っ気ない返事。駄目だこいつ。没頭してやがる。薄ら灯は舌打ちする。
武は抱えた花束を見詰め、うん。と一人納得したように頷いた。これならどうだ。みてろよ、あっといわせてやる。
ばさりと大風呂敷を床に広げ、武は選んだ花達を手早くまとめる。色とりどり花の並べられた床とは対照的に、花を奪われた部屋は見るも無惨だ。まるで嵐の通ったあとのよう。
「……おい。さっさと済ませてこっちの部屋もどうにかしろよ。」
「うん。できるだけ間に合わせる。」
これまた色のない返事。
「……ったく、どいつもこいつも。」
どうせ二番だよ、天下の雲雀太夫様には敵いませんよ。
薄ら灯はぶすくれる。ふ、と武が顔を上げた。
「今日来るの、沢田の旦那?」
「……だったらなんだ?」
「そっか、それで機嫌いいのな。」
かちん、薄ら灯は眉を跳ね上げた。
そうだ言う通り。虫の居所が悪い日に部屋から花を取られようものなら、薄ら灯の悪態はこの程度では済まない。
「よくねえよ、別に! てめ、ほんとにオレの部屋間に合わなかったらはったおすからな!」
「はは、そうかっかすんなって。そっか、沢田の旦那か。なら、大仰に飾るよりこっちのがいいか。」
武は色鮮やかな藤を一枝手に取った。色鮮やかな、まだ花開いたばかりの若い房を一つ折り、ひょいと薄ら灯の髪に飾る。
「うん。似合う。部屋にお前一輪いりゃ、旦那は十分だって。」
みるみる、薄ら灯の顔が朱に染まる。
「……っ、んな、わけねーだろ馬鹿! とっとと行け! さっさと済ませて次はオレの部屋だからな!」
しかし片手でしっかりと藤に房を押さえたまま、薄ら灯は乱暴に武を部屋から蹴り出した。
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