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08在庫整理第九弾。
これでおしまいです。おつかれさまでした。

完成済み。







>PLAY


『好きなの?』

正面切って聞かれるとなあ、と、彼は頭を掻いた。
照れているのかもしれないし、本当に返事に困っているのかも、誤魔化しているのかもしれない。
ひどく曖昧だが、そのほんの少し細められた目からは彼の人の良さがにじみ出ていて、その曖昧さを好ましいものにしていた。

「あ、そうだ、あれだ。長風呂とかこたつとか朝寝坊とかさ、居心地良過ぎて、自分から寝てるのか、布団に出してもらえないのかわかんなくなっちゃう感じ。そんな感じ。」

『そんな感じって、それは「好き」って感情が? それともその人が?』

今度こそ彼は答えず、あの曖昧な笑みで微笑んでいた。









その日(も)、姉は勝手に上がり込んでソファを陣取ってテレビを見ていた。夕方の再放送の恋愛ドラマだ。んなもん、10代目のお宅で見てこい、と思うが、沢田家ではこの時間はチビどものアニメの時間なんだそうだ。
ともかく、姉がリビングの真ん中に居座って微動だにしないので、隼人は姉に背を向けて、床にあぐらをかいてキッチンを見ていた。理不尽だ、と思いながら。
「そういえば、隼人」
姉が言った。音から察するに、テレビはCMに入ったところだ。
「あなたもやっとわかってきたわね。」
「……何がだよ。」
「すべては愛だという事よ。」
またそれか。
「ただ、姉の意見としてはもうちょっとイイオトコを選んだ方がいいんじゃないかと思うのだけれど、」
…………ん?
「てめっ! それは10代目の……」
隼人は問い質そうとぎりりと身体を捻ったが、姉がこちらを見ていた事に気付き、慌てて正面に向き直る。
「思うけれど、趣味は人それぞれだから、あなたがそれでいいなら、私は口を出す気はないわ。」
『そこに愛があれば、それでいいのよ。』
姉は繰り返した。
「知るかよ。そんな下らねーもんと一緒にすんな。」
床に向かって彼は吐き捨てた。


『すきなの?』
繰り返される、くだらない問いかけだと思う。

『すき』なの?
そんなの、名前なんか知るかよ。
ここに、確かに、消えない衝動がある。
その存在だけでで十分だろ。



|| STOP









言い訳反転>
あまりにもポエムなのでしまってました。
はずかしい。





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