獄寺君は、火の匂いでできている。
煙草の匂いと火薬の匂いだ。
オレが教室でぼーっとしていると、
満面の笑み、ってやつを顔にはりつけて、
彼はやってくる。
似合わない、と、思うんだ。
だって、『ごくでらくん』は『獄寺隼人』で
オレは『沢田』か『ツナ』か……でなけりゃ『ダメツナ』なんだ。
……て、何言ってるかわかんないよな。
ええと
『分不相応』なんだ、オレには。
たちの悪い冗談みたいだ。
へんだよ、やっぱこれ。
ムリがあるって。
オレの机に手をついて、
身を乗り出して
じゅーだいめ、じゅーだいめって言う、
彼は、このひとは、その光景は、
絶対ムリがあるってば。
みんなには、どー見えてると思ってんだろ。
オレは、直視できない。
真っすぐ見ることが出来なくて
頬杖をついて、
話を半分聞いているふりして
ヒヤヒヤしてる。
たのむから、
たーすーけーてー。
ふわん、と、胸の辺りから
煙のニオイがする。
制服に絡み付いて
きっともう
取れなくなってしまったんだろう。
煙草のニオイは吐息じゃなくて
身体に住み着くものなんだな。
(青少年の学ぶべきことじゃない)
(頼む、やっぱこっちこないで)
(これ以上ヘンなこと教えないで)
ふわんふわんふわん。
目を反らしても
顔のすぐ隣にあるそれは、
洗いざらした白いシャツは
火の匂いなので
逃げようもなくて、
オレは顔が熱くなる。
ああ、引火する。
煙草の匂いと火薬の匂いだ。
オレが教室でぼーっとしていると、
満面の笑み、ってやつを顔にはりつけて、
彼はやってくる。
似合わない、と、思うんだ。
だって、『ごくでらくん』は『獄寺隼人』で
オレは『沢田』か『ツナ』か……でなけりゃ『ダメツナ』なんだ。
……て、何言ってるかわかんないよな。
ええと
『分不相応』なんだ、オレには。
たちの悪い冗談みたいだ。
へんだよ、やっぱこれ。
ムリがあるって。
オレの机に手をついて、
身を乗り出して
じゅーだいめ、じゅーだいめって言う、
彼は、このひとは、その光景は、
絶対ムリがあるってば。
みんなには、どー見えてると思ってんだろ。
オレは、直視できない。
真っすぐ見ることが出来なくて
頬杖をついて、
話を半分聞いているふりして
ヒヤヒヤしてる。
たのむから、
たーすーけーてー。
ふわん、と、胸の辺りから
煙のニオイがする。
制服に絡み付いて
きっともう
取れなくなってしまったんだろう。
煙草のニオイは吐息じゃなくて
身体に住み着くものなんだな。
(青少年の学ぶべきことじゃない)
(頼む、やっぱこっちこないで)
(これ以上ヘンなこと教えないで)
ふわんふわんふわん。
目を反らしても
顔のすぐ隣にあるそれは、
洗いざらした白いシャツは
火の匂いなので
逃げようもなくて、
オレは顔が熱くなる。
ああ、引火する。
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