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獄寺君が、ピアスを開けた。
しかも、普通に耳たぶじゃなくて、耳の横の、ちょっと硬い辺り。
「痛くない?」
「いえ、そんなには」
「でもここ……」
自分の耳をなぞって確かめてみる。
「軟骨あるよねぇ?」
痛くないはずがないんだ。
彼の耳で、光る銀色の、その下の小さな赤い穿穴を想う。
彼は、痛くないと言う。
そりゃ、どんな大怪我でも、何時もの小さな火傷でも、一度も痛いなんて言ったことない君だけど。
オレは、手招きして獄寺君を呼んだ。
ちょっと背伸びして、舐めた。まだ新しい傷口を。
「なっ……!」
獄寺君は跳んで逃げた。両手で耳を押さえる。
「何なさるんスか、急に……!」
顔が赤い。見えないけど、耳も多分真っ赤。
「だめじゃん。マフィアなのに、急所増やしちゃ」
笑って言うと、獄寺君は珍しくぼそぼそと反論した。



こんなとこ、10代目しか責めません。










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