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08在庫整理第七弾。

未完成。
これは先に言いわけ。
短いののトップ・シークレットのボツverです。





>PLAY
獄寺隼人は時々嫌な夢を見る。
それは、幼い頃から繰り返し見る夢。「嫌な夢」なんて概念を得る前から繰り返し彼を苛んでいた。
もともと、獄寺は明晰な夢を見る方ではない。ベッドに潜ってしばらくするとぶつりと意識が途切れて、再び気が付いたときには朝が来ているようなタイプだ。夢なんて見ない。夜とはただの暗闇。だが、ほんのときどき、その暗闇に荒涼とした寒い風が吹き込むことがある。
それはまるで水のような冷気だ。ひやりと肌に張り付いて、剥がそうとしても離れない。走って逃げても振り払えない。背後から、暖かな毛布の様に彼を包み込んで、肌を冷やす。冷たいシーツで彼をくるんで、どこかに連れ去ろうとする。
いやだ、このままでは捕まってしまう。連れて行かれる。いやだ。
そう思って、必死で逃げるのだけれど、やがて足が凍えて、縺れて転ぶ。頬が地面にぶつかって、痛いと思う前に冷たいと感じる。
冷たい。ぴしゃんと水の音がして、真っ暗な地面が水になり彼の身体を包み込む。
捕まってしまった。
彼は観念して、冷たい水の中で身体を硬くする。細い白い腕で__その夢では、彼はいつも気が付くと子供の姿になっている__腕で、自分の身体を抱いて、ぎゅっと目をつぶる。息を止める。
この胸の中までは『冷たい』に取り上げられません様に。
お祈りをして、すべてのチャンネルを閉じる。すると__

目が覚める。
跳ね起きて、咄嗟に肌に触れているものを振り払う。肺の奥で淀んでいた空気を吐き出す。すると、それはひどく生温かった。
それでやっと、またあの夢かと気付く。
心臓は狂ったような速さで脈を刻み、全身にはうっすら汗をかいていた。
また、あの夢だ。そうだちょうどアレが出てきそうなタイミングだった。
「__ああ、クソったれ。」
毒づいて、獄寺はベッドを一度蹴り付ける。
この夢は、決まって彼が安心している頃に訪れる。不安定な時や、苛ついている時は決して姿を見せない。

10代目は、ご存じないのだ。
オレが、この指にこの指輪を嵌めたのが、初めてじゃないことを。

|| STOP









言い訳反転>
というわけで、あれの別verです。
なにもわざわざ獄寺さんをかわいそうにしなくてもいいじゃんという訳で没にしました。
なんかまだ削除してなかったので、折角だから。
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