忍者ブログ
*Admin
SCRaPBooK
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

身体は資本。
なんていうけど
獄寺君の場合はもう、
身体を借金のカタにして
むりやり行動しているような気がする。
なんかもう、しょっちゅう倒産寸前の危機。
今日もまた、ボロッボロで帰ってきた。

いや、でも、10代目。オレ、ちゃんと生きてますから。

うん。
学習してくれたのは認めるよ。
認めるけど、理解してないよね。
ぜったい通じてないよね。
わかってないよね。
この人ぜったいそのうち足の一本ぐらい吹っ飛ばして帰って来て、
それでも自信満々、
生きてますからって言い張るよね。
こまった、なぁ。
……ああ、そうだ。

「ねぇ獄寺君。オレ、獄寺君の身体好きだよ。」

彼は顔をあからめた。
ああ、だからそーじゃないんだってば。
そういう意味じゃ。

道は、険しい。

まぁ、あんまり怪我しないで帰って来てくれれば、
しばらくは勘違いのまんまでもいいんだけどさ。










PR
諸事情によりボスと守護者全員の署名入りの書類が必要になりました。
約一名物理的にペンを持てない状態の人がいるので、
沢田さんが代表して全員分書くことになりました。
以下、中学生のツナと獄が2人向かい合って机に座っているところを想像してお読みください。
(台本形式です。)

「ええと、まずオレね。
 沢田、綱……ああもう、なんでここだけこんな画数多いかなあ。ローマ字じゃダメなの?」
「(送られて来た手紙を見ながら)そーゆー決まりらしいっス。」
「めんどくさいなあ、もう。えーと、綱吉、と。次、獄寺君ね。
 えーと、ごく……(書けない。恨めしげに獄寺を見る)」
「あの、10代目。オレ代わりに書きましょーか?」
「いいよ。そーゆー決まりなんだろ。……ごめん、『ごく』ってどんな字だっけ?」
「まず、けものへんに、」
「ケモノヘン?」
「……カタカナの『オ』みたいな奴です。」
「ああ、あれか。これに?」
「言うって書いて、」
「(カキカキ)」
「それから犬です。」
「……犬?」
「犬です。」
「いぬ……(まじまじと獄寺を見る。)」
「あの……10代目?」
「ごっ、ごめん、なんでもない。(下を向く、肩が震えている)
 わかった、犬ね。(こっそり笑っている)
 で『寺』に……『はやと』?」
「はい!」
「……あの、そーじゃなくて、漢字……」
「あ! ……スミマセン、『はやぶさ』に『ひと』です。」
「(だから、はやぶさがわかんないんだってば)」
「あ、えーっと、(どうしよう説明できねぇ)
 ちょっと待ってください、ケータイ出します!
(がさがさピコピコ)こーゆー字っス。」
「あ、ありがと。それで、『と』は『人』だね。
 あー、最後2画でよかったー。」
「次、山本っすね。」
「やった。山本は簡単だ。三文字だし。」
「(くっそ、あんのやろ)そーっスね!」
「で、次、ヒバリさん…………(もうお手上げ。)獄寺君、ひばりって?」
「『くも』に『すずめ』、こーです。(ケータイを見せる。)」
「あはは、まんまだ。雲とヒバードじゃん。」
「そっすね! んで、『きょうや』は……げ、変換候補多いな。ったく……
(訓読みから打ち直す)『きょう』はコレです。」
「ん……(画面には恭しいと表示されている)これ、なんて読むの?」
「うやうやしい、です。」
「うやうやしいって……なんか、そういう意味だよね。」
「はい。礼儀正しいとか、敬意を表するとか、そーゆー意味っスね。」
「(に、似合わない……)」
「で、次『や』……げ、なんだよこれ」
「どーしたの?(覗き込むと大量の変換候補『也、哉、矢、夜、谷、……』)
 うっわ、めっちゃくちゃ群れてるし!」
「あー、あったこれだ、『弥』。ったく、その場にいなくてもめんどくせぇ奴っスね!」
「とか言ってたら窓から現れたりして」
「ええ?」
「冗談。えーと、次は?」
「晴れだから、笹川です。」
「ん。わかった、ささ……(書きかけて手を止める)
 待った、嫌な予感がする! さきにあっち済まそう!」
「ど、どーしたんスか? 10代目」
「なんでもない。嫌なの先に済まそうと思って。えーとあいつは……
 ああほら! やっぱり名前書けない! どんな字だっけ!」
「骨に、イノシシ年の亥ですけど」
「だめ!ホネが書けない!」
「こーゆー字っス。(ケータイを見せる)」
「うあ、ほらみろ、やっぱり画数多いし。一文字目は『六』とか小学生レベルのくせにさ!
 大体なんでイタリア人のくせにこんな面倒くさい漢字なんだよ、あいつ。」
「…………ええと……(ちょっと胸が痛い獄寺隼人イタリア出身)」
「よし、書けた。クロームはいいんだよね?」
「はい。骸だけで。」
「よかった。これで『霧』は『髑髏』も、とか言われたら一人で何画だよってトコだった。」
「ああ、それで。」
「そー、それで。で、最後はお兄さんっと。やった、すげー画数少ない。」
「守護者ん中じゃダントツっスね。」
「よし! おわったー! 次もこの順で書こっと、最後がカンタンだと気がラクだし!」
「おつかれさまっス! 10代目!」

ツナは、あーつかれた、と、ポイッとペンを投げ捨てた。
獄寺も携帯をしまう。

あれ、ところで何か忘れているような……




「一番画数少ないのはランボさんだもんねーっ!
 ちゃんとイタリア人でイタリア語の名前だもんね、
 筆記体で書けば一筆書き出来るんだもんねーっ!!」
「ああ、うん。
 悪かったって、ごめん。
 泣くなよ、な?」










いい加減、ビアンキも理解してくれたらいいと思う。
「ハヤト! どうしたの!?」
「ふげゃっ!」
抱き上げられた獄寺君は、姉の顔を見るなりまたへんな悲鳴をあげてぐでんと転がってしまった。
「ハヤト! しっかりなさい!」
いや、だから原因はビアンキなんだってば。どうして理解してくれないんだろう。
二人を引き離して、獄寺君はソファに、ビアンキはダイニングに。そのまま台所行って濡れタオル作って獄寺君のところに引き返しておでこにタオル。
「ひゅみまふぇん10代目、ごメーワクを、れも次こそは、」
「あー、うん。また今度ね、次こそはね、でも今はまだろれつ回ってないから大人しく寝てようね」
「ひゃい」
安静第一を釘刺して、やれやれってダイニングに戻ったら原因の狙撃犯ビアンキはリボーンと二人で優雅にお茶していた。当然オレの分のカップなんて出てこない。オレはなんにもない席に座って頬杖をつく。
(つか、あれ? コーヒー?
ビアンキがいれられる訳無いじゃん。
じゃ、リボーンがいれたのか。ビアンキの分も。
うわ、こいつ、ほんっと女には甘いな。
ってか、なのになんで後始末してきたオレには何にもナシ!?)
じとっと黒い帽子を睨んだら、リボーンは突如顔を上げた。黒いつぶらな瞳が二つ。
(ひぃっ!いや、リボーン様のなさることに文句なんかありませんけど!!けど……けどやっぱでも、むー……)
「……ビアンキもさ、獄寺君が倒れるのわかってるんだから、突然素顔で現れるの、やめたほうがいいと思うんだけど……」

「ツナ、」
ビアンキはゆっくりとカップを置きオレを見る。
「年上の異性の気を引くためとしても、そのやり方は幼稚過ぎるわ。」
「ちがーうっっ!」
ほんとどうしてそーなるんだ!
「ぜんっぜんチガウってか何その無駄な自信! なんでオレがビアンキに!?」
「まあ、照れちゃって」
「照れてなーいっ!」
「でもごめんなさいね、私にはリボーンしか見えないの」
「だそーだ。悪いな、ツナ。モテるオトコはツライゼ」
「赤ん坊のお前に言われたくない! ってか何ちゃっかり交じってアピールしてんの? 自慢かよ!?」
「まあ、冗談はともかく、」
「冗談だったのかよ!」
「私は顔を隠すつもりなんてないわ」

「……なんで?」

長い爪がカップを弾いた。

「なんで?」

ビアンキが繰り返した。

「次も失敗するなんて、どうしてあなたに言い切れるの?」


ああ、どうしようもない姉弟に、オレは捕まってしまった。
毎日毎日次こそはを繰り返して、
いつかくる「その日」を信じてみつめてる。

「あらリボーン、カップが空ね。おかわりはいかが? 今度は私が入れるわ。」
「悪ィな。でも、気持ちだけで十分だぞ。入れるんだったら、看病して帰って来たツナに入れてやってくれ。」
「そうね、じゃあ、隼人の分のお礼も込めて……」
「いっ! いらないよー!!」
「まあ、失礼ね。これでも日々研究を重ねて……」
「それで、味じゃなくて殺傷度が上がってるんだろー!!」

オレには「その日」は全然見えないけど、
多分明日も、「その日」じゃない明日がくるんだろう、けど。
明日も明日もそのまた明日もずーっと明日ばっかり続きそうだから、
じゃあやっぱりそのうち、明日の中にその日がひょっこり顔をだすのかもしれない。

「私のコーヒーがのめないの!?」
「あ、ああオレ! 獄寺君のタオル代えてくるっ!」
「待ちなさい、ツナ!」
「ちょ、着いてくるなってー!」

………でもやっぱ、明日も来ないよなぁ。











いやだ。
こんなのはいやなんです。
オレは、あなたに愛されたくなんてなかったんです。
触れられるだけで息も止まるような、キスして抱き合って縋るような、そんな生き物にはなりたくなかった。
そんな、誰もがするような、今もどこかで誰かが、どこでも誰でもができるような、こんなくだらないありふれた陳腐なやり方で、あなたに触れるような生き物になりたくなかった。あなたを求めるような生き物になりたくなかった。
オレは、あなたが、
おれは、あなたの…………




そういって彼は黙ってしまった。
言葉が続かないんだ。本当に、息も出来ないんだろう。苦しそうな背に手を当てた。抱き寄せたら彼はやっと一つ大きく息を吐き、いやだとつぶやいた。


うん、ごめんね。
オレは頭が悪いから、国語とか得意じゃないから、
ごめんね。好きだって言われているようにしか、聞こえなかったよ。





『傍線部を説明せよ』











マフィア設定で。



昨日は雪だった。
朝、カーテンを開けたら外は真っ白で、
ああ、これは十代目に……、
だってこんなに積もっていたらチビどもが騒ぐし、お一人では……。
そう予定を立てかけて、それから、もうガキも遊ぶグラウンドもないんだと思い出した。
そもそも十代目は会談のために地球の裏側にいて、えーと、あの街は雪は降るのか?
手元の時計のうち一つは現地時間に合わせてあるけれど、天気まではわからない。
手が空いたら調べよう、定時の報告のついでにこっちは雪ですと言ってみよう
(多分喜ばれる、あまり昔話なんてしている時間はないだろうけど)
なんて考えながらシャツに袖を通して、朝食を摂って、報告書に目を通して、雑用みたいないつもの仕事をこなしていたら、いつの間にか、雪はすっかり溶けてしまっていた。
報告はとりやめた。
距離が開いてく。
時間ばかりが過ぎていく。

あの日の雪だけ溶けずに残ってる。











UP△ * HOME * ▽DOWN
Copyright:SCRaPBooK All Rights Reserved.*Powered by NinjaBlog
Graphics By RHETORIC*material by 工房たま素材館*Template Original by Kaie *Arranged by あかさ・たな
忍者ブログ [PR]