おいでませ。
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こちらは舞台裏、管理人のラクガキ帳カキカケblogです。
もはや完全に整理整頓を放棄しています。
ご気楽にどうぞ。
こうしんりれき
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これあげるって言われたら、
サンキューなっ!
……て、受け取っちゃう山本。
え? もらっていいの?
……て、慣れてないツナ。でも受け取る。
いらねーよ。
……て、突っぱねる獄寺。たぶん物品を見てさえいない。
で、言われる前に
欲しい物はかっぱらう雲雀さん。
いや、箇条書きしておかないと忘れるので。
つい手癖で書いてしまうのだ。
サンキューなっ!
……て、受け取っちゃう山本。
え? もらっていいの?
……て、慣れてないツナ。でも受け取る。
いらねーよ。
……て、突っぱねる獄寺。たぶん物品を見てさえいない。
で、言われる前に
欲しい物はかっぱらう雲雀さん。
いや、箇条書きしておかないと忘れるので。
つい手癖で書いてしまうのだ。
<山本練習中。これは没パターン。山本が自分から雲雀に心情を吐露するとは思えないので。>
でもやっぱ、一番は野球だよな、と山本は思う。
親父から剣道を習った。スクアーロと戦った。死んでしまったと、オレが殺したんだと思った。結果的には、生きていたけれど。
自分自身も体中幾筋も斬られてたくさん血を流して、流させて、片目の視界を失って、大量出血による貧血と後悔でふらつく頭で、遊びじゃないって言うのはこういうことかと認識した。
なにを手にしようとしても距離感が掴めなくて手に力が入らなくてそれはすとんと山本の手から滑り落ちてしまったし、晴れた空も白い雲も、よくランニングにいく川縁の草むらも、すべてグレイにくすんで見えた。すべてが灰色で、それが突然暗転して真っ暗の中に赤い雨がぼたりと落ちて来て、足下で撥ねて小さな紅い王冠を作る。雫が撥ねて、土色に汚れた、元は白かったシューズに赤い点を残した。
あ、と思って空を見る。
雨なんて降っていない。赤い血なんて降っては来ない。貧血と眼帯のおかげでくすんで見えるだけで、変わらぬ青空が広がっている。
これが剣の世界か、と、山本は納得した。
それで親父はオレが野球をするのをあんなに喜んだのか。
グレイの空は長くは続かなかった。
スクアーロは生きていたし、眼帯は3日で取れた。
空の色は青に戻って、磨き抜かれた投球練習用のボールは真っ白で、つまり元通りの世界だ。
バットもボールも元通り手に馴染んで、数週間手を放していたなんて、ほんの数日掴むことも出来ない時間があったなんて嘘のようだった。
やっぱ一番は野球だよな、と、山本は思う。
これは疑いようがない。
一番は野球だ、でも。
参ったよなーと山本は頭を掻く。
たくさん、二番が出来てしまった。今までは、一番以外なんにもなかったのに、今は、一番ごしにいろんなものが見える。
たとえば、バッティングセンターで140kmの球を前にする。バットを構えてヒットを打つ、はずなのに、一直線に飛んでくる白球は斬撃に見える。打ち返すというよりは、切り捨てたいと思う。金属バットの甲高い音と、それからグリーンのネットに弾き返されたボールが飛び込む音、ホームランおめでとうの安っぽいメロディ。
なんか、ちがうよなあ。と、山本は思う。
目が慣れたのかと思って150kmの台の前に立ってみた。
確かに時速10km分ボールは速かったけれど、やっぱり何かが違った。
「つーわけでヒバリ、相手して。」
でもやっぱ、一番は野球だよな、と山本は思う。
親父から剣道を習った。スクアーロと戦った。死んでしまったと、オレが殺したんだと思った。結果的には、生きていたけれど。
自分自身も体中幾筋も斬られてたくさん血を流して、流させて、片目の視界を失って、大量出血による貧血と後悔でふらつく頭で、遊びじゃないって言うのはこういうことかと認識した。
なにを手にしようとしても距離感が掴めなくて手に力が入らなくてそれはすとんと山本の手から滑り落ちてしまったし、晴れた空も白い雲も、よくランニングにいく川縁の草むらも、すべてグレイにくすんで見えた。すべてが灰色で、それが突然暗転して真っ暗の中に赤い雨がぼたりと落ちて来て、足下で撥ねて小さな紅い王冠を作る。雫が撥ねて、土色に汚れた、元は白かったシューズに赤い点を残した。
あ、と思って空を見る。
雨なんて降っていない。赤い血なんて降っては来ない。貧血と眼帯のおかげでくすんで見えるだけで、変わらぬ青空が広がっている。
これが剣の世界か、と、山本は納得した。
それで親父はオレが野球をするのをあんなに喜んだのか。
グレイの空は長くは続かなかった。
スクアーロは生きていたし、眼帯は3日で取れた。
空の色は青に戻って、磨き抜かれた投球練習用のボールは真っ白で、つまり元通りの世界だ。
バットもボールも元通り手に馴染んで、数週間手を放していたなんて、ほんの数日掴むことも出来ない時間があったなんて嘘のようだった。
やっぱ一番は野球だよな、と、山本は思う。
これは疑いようがない。
一番は野球だ、でも。
参ったよなーと山本は頭を掻く。
たくさん、二番が出来てしまった。今までは、一番以外なんにもなかったのに、今は、一番ごしにいろんなものが見える。
たとえば、バッティングセンターで140kmの球を前にする。バットを構えてヒットを打つ、はずなのに、一直線に飛んでくる白球は斬撃に見える。打ち返すというよりは、切り捨てたいと思う。金属バットの甲高い音と、それからグリーンのネットに弾き返されたボールが飛び込む音、ホームランおめでとうの安っぽいメロディ。
なんか、ちがうよなあ。と、山本は思う。
目が慣れたのかと思って150kmの台の前に立ってみた。
確かに時速10km分ボールは速かったけれど、やっぱり何かが違った。
「つーわけでヒバリ、相手して。」
<黒獄寺注意。>
逃げて来てしまった。
はしってはしって走って走って、逃げて来てしまった。
暗い路地で、彼がごろりと蹴り転がしたのは、人の頭だったように見えた。
暗い路地に黒い血溜まりに黒い頭部。
なんで彼だけ銀色なんだ。
そんなんじゃすぐに見つかっちゃうじゃないか。
見つけてしまったじゃないか。
彼が顔を上げた。
銜えた煙草の先から灰が落ちた。
これまた白かった。
白いものがキラキラ落ちて行く。
それだけみて、そこから焦点を逸らさないで、彼の目は見ないで、くるりと急ターンしてオレは走って逃げた。
彼はどんな目をしていた?
誇らしげだった?
『………っ!!』
いつもみたいに笑って呼ばれたら死刑宣告だ。
だから逃げた。走って逃げた。
もしかしておれは、なにもしらなかったんじゃないか?
ちがうものをみていたんじゃないか?
かれがおれのうえにかさねていたなまえは、
もしかしてそういうものなんじゃないか?
オレは、彼は友達だと思っていた。
彼は仲間だと思っていた。
いつでも守ろうとしていてくれたから、
勝手にオレは、彼はいいマフィアなんだと思っていた。
正義の味方みたいに。
見られてしまったな、と、思う。
しくじったな、とも思うけど、いつか来ることだから、
後悔はしていない。
そうだ。していない。ちょっと残念だとは、思っているけれど。
中学生ごっこを始めるときに、腹に決めていたから後悔なんてしていない。
ねえ、10代目。
この世にいいマフィアなんていないんです。
いるのは、ちったあマシな仕事をしているマフィアと、
こんなどーしよーもねー仕事をしているマフィアと、
そんだけ。
でも、
「でもオレは、あんたを世界一マシなマフィアにしてみせる。
ねぇ、10代目。」
逃げて来てしまった。
はしってはしって走って走って、逃げて来てしまった。
暗い路地で、彼がごろりと蹴り転がしたのは、人の頭だったように見えた。
暗い路地に黒い血溜まりに黒い頭部。
なんで彼だけ銀色なんだ。
そんなんじゃすぐに見つかっちゃうじゃないか。
見つけてしまったじゃないか。
彼が顔を上げた。
銜えた煙草の先から灰が落ちた。
これまた白かった。
白いものがキラキラ落ちて行く。
それだけみて、そこから焦点を逸らさないで、彼の目は見ないで、くるりと急ターンしてオレは走って逃げた。
彼はどんな目をしていた?
誇らしげだった?
『………っ!!』
いつもみたいに笑って呼ばれたら死刑宣告だ。
だから逃げた。走って逃げた。
もしかしておれは、なにもしらなかったんじゃないか?
ちがうものをみていたんじゃないか?
かれがおれのうえにかさねていたなまえは、
もしかしてそういうものなんじゃないか?
オレは、彼は友達だと思っていた。
彼は仲間だと思っていた。
いつでも守ろうとしていてくれたから、
勝手にオレは、彼はいいマフィアなんだと思っていた。
正義の味方みたいに。
見られてしまったな、と、思う。
しくじったな、とも思うけど、いつか来ることだから、
後悔はしていない。
そうだ。していない。ちょっと残念だとは、思っているけれど。
中学生ごっこを始めるときに、腹に決めていたから後悔なんてしていない。
ねえ、10代目。
この世にいいマフィアなんていないんです。
いるのは、ちったあマシな仕事をしているマフィアと、
こんなどーしよーもねー仕事をしているマフィアと、
そんだけ。
でも、
「でもオレは、あんたを世界一マシなマフィアにしてみせる。
ねぇ、10代目。」