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おいでませ。
    こちらは舞台裏、管理人のラクガキ帳カキカケblogです。
    もはや完全に整理整頓を放棄しています。
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こうしんりれき
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落書きは続きにしまってあります。
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スクラップブックです。
ネタ帳に書き付けたものの、小説のネタとしては弱いな、なんてものが書き溜められています。
(あるいは技量不足でまとめきれなかったとも言う。)

作品の長短ではなくて書いた人の気合いの入り方で、
ながいのにコッチに突っ込まれたり、短いのにTEXTに収まったりします。
気まぐれです。
キスっていうのが
ほんとはこーやって唇をくっつけるだけじゃなくて
もっといろいろ、
その……
よく知らないけど
いろいろすることがあるんだってことは
オレだって知ってる。
知ってる、けど。
したことは、ない。
まだ、ない。


彼のやり方はしょーがないなってそんなかんじで
どこか割り切ったような、
照れ隠しとかそんなんじゃなくて
なんか自分のことじゃないみたいに
自分がやってるんじゃないみたいに
オレにキスをさせてくれる。
かえりみち、
オレが腕を伸ばして頬に触れれば、
唇を貸してくれる。


少し、さびしい。
かなしい、なさけない?

くやしい。


出会ってからどのぐらい?
友達になってからは?

こ・・とに、なってからは?


オレ達はきっとまだ
子供なんだろう。
でも、オレの生きてきた時間があって
獄寺君の生きてきた時間があって
オレ達は、お互い知らないことだらけだ。

どこで誰とそんなやり方を覚えたの。
どうして全然知らないふりで、オレに歩調を合わせてくれるの。
わかんないことだらけだ。

わかっているのはただ一つ。
こんなやり方はお子様で、
もっと違うやり方があるということ。

見てろよ。

帰り道、じゃあまた明日って
笑った顔を思い出して、
オレはちょっと大悪党な気分になる。


見てろよ。
いつか、
めろめろにして腰が抜けて
帰りたくない、なんて言わせてやる。










獄寺君が、ピアスを開けた。
しかも、普通に耳たぶじゃなくて、耳の横の、ちょっと硬い辺り。
「痛くない?」
「いえ、そんなには」
「でもここ……」
自分の耳をなぞって確かめてみる。
「軟骨あるよねぇ?」
痛くないはずがないんだ。
彼の耳で、光る銀色の、その下の小さな赤い穿穴を想う。
彼は、痛くないと言う。
そりゃ、どんな大怪我でも、何時もの小さな火傷でも、一度も痛いなんて言ったことない君だけど。
オレは、手招きして獄寺君を呼んだ。
ちょっと背伸びして、舐めた。まだ新しい傷口を。
「なっ……!」
獄寺君は跳んで逃げた。両手で耳を押さえる。
「何なさるんスか、急に……!」
顔が赤い。見えないけど、耳も多分真っ赤。
「だめじゃん。マフィアなのに、急所増やしちゃ」
笑って言うと、獄寺君は珍しくぼそぼそと反論した。



こんなとこ、10代目しか責めません。










まだ彼らがお城にいた頃。







「近寄らないで頂戴。」
ビアンキは言い放った。
「嫌われたもんだなぁ。」
シャマルはうそぶいた。
「そうよ、大っ嫌いよ。私、あなたのことを憎んでいるわ。」
ビアンキは眉をひそめる。
「だってあなた、あの子に戦いかたを教えたじゃない。
たった一人を愛することを忘れさせたじゃない。」
許さないわ。
少女は男をを睨み付けた。
女って生き物はどうしてみんなこうなんだろう。
男はうんざりし、同時に感心していた。
生まれながらに、愛することを知っていて、しかもそれは間違っていないと確信しているのだ。疑いもしないのだ。
「じゃああいつが、戦い方も知らないで、
そのくせ真っ当な愛だけは知っていて、
そのせいでここを逃げ出すことすら思い付けないような、
そんな生き物のままだったら、
この先ここで生き抜いていけたと思うのかい?」
さあ、どうだい。小さなビアンキお嬢様。
「……私が守ったわ。」
彼女は呟いた。
「私があの子を守ったわ。私があの子を愛したわ。」
彼女は真っ直ぐに男を見上げて宣誓した。
「だから私は、あの子を探しに行くの。
付いてこないで頂戴。
私、あなたのことを憎んでいるのよ。」
そして彼女はくるりと身を翻した。ビロードのスカートが重たげに揺れた。
「あの子は私の弟なの。この世界で、この家で、たった一人の。」
そしてぱたぱたとまだ軽い足音を響かせて、幼い彼女は大理石のホールを駆け出していった。










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